飼育日誌

2023.05.23

川のカニの海水浴

皆さまこんにちは。
先月の日誌で「川の多様な生き物水槽」と「小川の実験観察テーブル」にカニを追加展示したとお伝えしました。

少し前のことになりますが、ゴールデンウイーク中、各展示のチェックも兼ねて、いつもよりもちょくちょくと館内を歩き回っていました。特に「湧水と小川のアクアリウム」「タッチング水槽」のあたり。皆さまが楽しく、やさしく生き物と触れ合えているかな、「お魚にごはん」販売機からスムーズにエサが出ているかな、と気にかけていたわけですが、もう一つ。この近くにはカニ展示があります。カニへの注目度を知る良い機会となりました。


川の多様な生き物水槽のカニ展示

実はすいている平日や、年2回行うアンケートだけでは、カニの評判はあまり「見えない」のです。「もしかして、カニが好きなのって私だけ?」などと不安になっていたのですが、ゴールデンウイーク中に「実験観察テーブル」のカニが想像以上に注目されていたことが分かりました。「あっ!カニだ」という声がちょくちょく聞こえ、中には水槽にはりついて何匹いるかぐるっと数えている方や、ほぼ隠れキャラと化したオオヒライソガニを探してくれている方もいました。いやぁ、うれしいですね


テーブル水槽に隠れているオオヒライソガニ(どこにいるか分かるかな?)

さて、カニたちの人気が知れたところで、今回は彼らのすむ水について語ってみます。
「相模のカニ展」の日誌でも書きましたが、相模川のカニのほとんどは下流域にすんでいます。
下流域は海水が水底をはい上がってきますから、川でありながら1日のうち数時間は塩水にさらされているわけです。
と、いうこともあり「小川の実験観察テーブル」の水は塩水にしています。ただし、海の水よりもかなりうすめです。それでもカニたちは元気いっぱい。彼らにとって塩水は重要なものですが、常に海水の濃さが欲しいわけではなく、少しでもあれば良い、ということが、この展示で実証できています。

かたや「川の多様な生き物水槽」。こちらの水は、実は近くに展示しているタナゴたちやシナイモツゴたちと同じ水で、相模川からくみ上げた純淡水(真水)です。つまり、常に塩水をまわすことは、出来ません。同じく純淡水の「坂道お魚観察水槽」のアカテガニたちがずっと元気にしていますから、ハマガニやフタバカクガニも大丈夫だとは思うのですが、「相模のカニ展」展示時はうすい塩水にしていたため、まだちょっと心配です。そこで、塩水を補給する「水たまり」を設置してみることにしました。


塩水につかるハマガニ


塩水につかるフタバカクガニ

これです。ここにジャッと塩水を入れておくと、カニたちがつかりにきています。そして1~2日すると、水がごっそり減っています。彼らが塩分を補給したり、つかるときにあふれさせたりしているのでしょう。そうしたらまた塩水を足します。

「川の多様な生き物水槽」は大人気の「お魚にごはん」と「お魚ぬりえ」に向かう通路端にあるということもあって、長時間ご覧頂けることが少ないのですが、注目すべき地域の生き物が一堂に会する展示でもあり、さらなる魅力アップのためにリファインを繰り返しています。先日も、神奈川県が分布の東限、南限の魚として、タカハヤとジュズカケハゼの仲間を展示しました。今後もトピック性の高い生き物が仲間入りすると思いますので、お目にかけて頂けたらうれしいです。

伊藤


2023年12月
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