飼育日誌
相模のカニ展① タカアシガニ
皆さまこんにちは。
次回の特別企画展「相模のカニ展」が、ついに始まりました!
ここ2週間ほど、昼夜を問わず準備に励んできて、皆さまをお迎えすることが出来ました。
プロの業者さんと協働してブースの作り替え
完成したブースにチクチクと仕上げ
さて、今回のタイトルは検討を重ねた結果「相模のカニ展」となりましたが、素案段階では「相模川のカニ全部」というタイトルでした。相模川を冠する館として長年相模川でカニと親しみ、真面目に調べてきた経験を生かし、それに特化したカニ展をしたい、というこだわりがあります。ということで、今回展示するカニは全て「相模川にいるカニ」「相模川に関係するカニ」です。
そんな中で、タカアシガニ。
「あれ?タカアシガニって相模川にいないよね」と思った方、正解です。でも関係はあります。
先月の日誌で触れましたとおり、大昔の相模川は今とは違ったルートで流れており、その頃の河口は現在、江の島の沖合の海底になっています。そこにすむカニとしての登場なのです。
加えて、世界最大というインパクト、私自身が長年にわたりタカアシガニの担当をしていたという思い入れもあって、是非お見せしたいと思いました。
その展示もさることながら、特に携わってきたのが移送です。前にいた館では、三浦半島長井の漁師さんのご協力を得ていました。約15年間、ことあるごとにタカアシガニを運び続けてきました。
今回、約1年ぶりにその漁師さんに連絡を取りました。
ご無沙汰していたにも関わらず「展示にベストな小さめサイズ」という特殊なオーダーにもこころよく「いいよ!」と答えて頂けました。
かわいいサイズ!ようこそ当館へ
「小さめ」というのがポイントです。小さいタカアシガニって見たことありますか?大きいものより珍しいと思います。食用に適さないこのサイズはあまり市場に出回らないからです(そう!タカアシガニはれっきとした食用ガニとして出回るのです)。
まずは一見にしかず!ということで「相模のカニ展」に是非お越し下さい。…タカアシガニ目当てで来た方は、思わぬマニアックな世界に足を踏み入れることになるでしょう…。
伊藤