展示水槽
流れのアクアリウム
流域で変わる生き物や環境を観察すると、川の多様性を実感できます。
流れのアクアリウムで見られる生き物たち
ニッコウイワナ
サケ目サケ科[環境省RL:情報不足種][神奈川県RD:絶滅危惧IA類]
川の最上流域にすんでいます。現在、神奈川県で見られるイワナの大部分は本種ですが、在来種はヤマトイワナで、本種に置き換わってしまったという説があります。
ヤマメ
サケ目サケ科 [神奈川県RD:絶滅危惧IA類]
川の上流域に生息し、川の中にいる虫や水面に落ちてくる虫などを餌として食べています。(体にはパーマークと呼ばれる青色の模様が並びます)
アユ
サケ目アユ科
春に若魚が海から川に上り、中流域で岩についたコケなどを食べて成長します。秋になると下流域へ下り、卵を産んで一生を終えます。ふ化した稚魚は、直ぐに海へ下り、プランクトンなどを食べて成長をします。
ウグイ
コイ目コイ科 [神奈川県RD:準絶滅危惧]
川の上流から下流域まで広く生息し、雑食性でコケや川の中にいる虫などを餌として食べています。産卵期には、体に黒と朱色のしま模様があらわれます。
オイカワ
コイ目コイ科
川や湖にすむコイの仲間です。銀色に輝く体が特徴です。初夏の繁殖期になるとオスの体に緑色に輝く模様が現れ、とても美しくなります。小さな動物や藻類を食べる雑食性です。
カワムツ
コイ目コイ科[国内移入種]
本来は西日本に分布するコイの仲間です。相模川では移入された個体が中流から下流でふえていて、水郷田名のまわりでもっともよく見られる魚の一つになっています。
ニホンウナギ
ウナギ目ウナギ科
川の上流から河口域まで広く生息し、川の中にいる虫やエビやカニ、小魚などを餌として食べています。海で産まれた稚魚は、海流に乗って日本にまでやってきます。成熟した個体は、産卵のために南方の深海へ移動をします。
ニゴイ
コイ目コイ科 [神奈川県RD:絶滅危惧II類]
川の中流から下流域に生息し、川の中にいる虫や貝類、大きくなった個体では小魚なども餌として食べています。口が下向きについており、ヒゲが1対(2本)あります。
コイ
コイ目コイ科[神奈川県RD:情報不足種]
川や池でおなじみの大型淡水魚です。日本在来のコイは背中が盛り上がらず細長い体形をしていますが、神奈川県で見られるものは、放流された養殖魚に由来しており、背中が盛り上がっています。
キンブナ
コイ目コイ科[環境省RL:絶滅危惧II類][神奈川県RD:絶滅危惧IB類]
最大でも15㎝ほどの小さなフナで、背ビレのすじの数が少なく、ウロコが金色に縁取られるのが特徴です。かつては相模川をはじめとする神奈川県内の川に広く生息していたと言われますが、最近はとても少なくなっています。
ギンブナ
コイ目コイ科
最大で25㎝ほどになる中型のフナで、背ビレのすじの数が多く、全身が銀色をしています。コイとともに相模川の下流域で最も多く見られる魚であり、釣り人からは「マブナ」と呼ばれて親しまれています。
ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)
コイ目コイ科[国内移入種][環境省RL:絶滅危惧IB類]
琵琶湖の固有種であるゲンゴロウブナから改良されたヘラブナが、日本各地に導入されています。釣りの対象として人気があります。大きな体に似合わず植物プランクトンが主食です。
オオクチバス
スズキ目サンフィッシュ科[国外移入種]
1925年にアメリカから芦ノ湖に導入されて以降、現在は日本各地で見られるようになっています。肉食性が強く、在来の魚やエビを食べてしまうため、在来生態系への影響が強い種とみなされています。
ブルーギル
スズキ目サンフィッシュ科[国外移入種]
1960年にアメリカから一碧湖に導入されて以降、現在は日本各地で見られるようになっています。肉食性が強く、在来の水生昆虫やエビ、小さな魚などを食べてしまうため、在来生態系への影響が強い種とみなされています。
カワニナ
吸腔目カワニナ科
川や用水路にすんでいる細長い巻貝です。成長すると殻頂がかけてしまうことがほとんどです。ゲンジボタルの幼虫が好んで食べることが知られています。
ニジマス
サケ目サケ科[国外移入種]
明治時代以降、アメリカから導入され、養殖と放流が現在も盛んに行われています。鮮魚店でもトラウトサーモンや単にサーモンとして売られ、食卓に並びます。
ソウギョ
コイ目コイ科[国外移入種]
コイに似ていますが、より細長くてヒゲがありません。100年以上前から中国より食用として導入されてきました。相模川ではふえていないと考えられ、現在はまれにしか見られなくなっています。
ヌマムツ
コイ目コイ科[国内移入種]
本来は西日本に分布するコイの仲間です。相模川では移入された個体が中流から下流でふえています。よく似たカワムツとは、胸ビレと腹ビレが赤い点で見分けられます。
ワタカ
コイ目コイ科[国内移入種]
本来は琵琶湖の固有種ですが、日本各地に移植されています。相模川では津久井湖のまわりでふえていましたが、最近はあまり見られなくなっています。水草をよく食べるため「ウマウオ」の別名を持ちます。
ナマズ
コイ目コイ科[国内移入種][神奈川県RD:注目種]
流れのゆるやかな川や沼にすむ大型の肉食魚で、大きな頭と長いひげが特徴です。本来は西日本に分布する魚で、関東へは江戸時代に持ち込まれて定着しました。神奈川県では移入種ですが、本種がすむことが豊かな環境の目安となることから、注目すべき種として位置づけられています。
スズキ
スズキ目スズキ科
相模川河口で見られる大型の肉食魚で、大きな口で小魚やエビをおそって食べます。ルアー釣りの対象として人気があります。釣り針にかかると、頭を振ってジャンプし、鋭い鰓蓋で糸を切る「鰓洗い」をします。
ムギツク
コイ目コイ科[国内移入種]
本来は西日本に分布するコイの仲間です。相模川では支流の中津川でよく見られます。他の魚が卵を守っているところに、自分の卵を紛れ込ませて産み付け、そのまま守ってもらう「託卵」という習性を持ちます。
クサガメ
カメ目イシガメ科[国外移入種]
日本でもっともなじみ深いカメです。在来の種とされていましたが、江戸時代にユーラシア大陸から持ち込まれた移入種だとみなされています。年老いたオスは、全身が真っ黒になります。
ニホンスッポン
カメ目スッポン科[環境省RL:情報不足種]
突き出た鼻先と長い首、やわらかい甲らが特徴のカメです。水中生活に適応しており、水底の砂に潜ったり、素早く泳いで魚やエビを捕らえます。日本料理の素材として、各地で養殖されています。
ミシシッピアカミミガメ
カメ目ヌマガメ科[国外移入種]
北米原産のカメで、日本を含む世界中に定着しています。幼体はミドリガメと呼ばれ、鮮やかな緑色をしていますが、成長すると全身が黒や茶色になります。
シマイサキ
スズキ目シマイサキ科
相模川河口で見られる縞模様の魚で、浮袋を使って音を出す「鳴く魚」です。水底のゴカイやエビを食べていますが、他の魚の体をつついて掃除する「掃除魚」としての一面も持っています。
アカエイ
トビエイ目アカエイ科
砂地や泥のような海底から河口域にまで生息し、魚やカニ、ゴカイなどの底生生物を餌として食べます。尾は長く、毒の棘を持ちます。
ウツボ
ウナギ目ウツボ科
東北沿岸より南の海にすみます。相模川の中に入ってくることはほとんどありませんが、河口の港でたまに釣れます。歯が鋭くてかむ力も強く、かみついた瞬間に体を回転させてちぎろうとするため、かまれると非常に危険な魚です。
カゴカキダイ
スズキ目カゴカキダイ科
東北沿岸より南の海にすみます。幼魚は浅い潮だまりでよく見られ、相模川河口の港でも見られます。普段は岩上の小動物を食べていますが、他の魚をつついて掃除することもあります。
マアジ
スズキ目アジ科
海の沿岸域からやや沖合まですんでいます。相模川の河口の港で群れています。成魚は春に北へ移動し、秋に南へ戻ってくる季節的な南北回遊をします。
ロウニンアジ
スズキ目アジ科
暖かい海に広く分布する世界最大のアジで、全長1m以上に成長します。メッキと呼ばれる幼魚が相模川をはじめとする県内の川に侵入してきます。ルアー釣りの対象として人気があり、釣り人たちは憧れを込めて「GT」と呼びます。
ネコザメ
ネコザメ目ネコザメ科
日本を含む東アジアの海にすみます。2枚ある背ビレの付け根にトゲがあります。平たくまとまった歯で、貝やカニなどの固い殻を砕いて食べてしまうことから「サザエワリ」の別名を持ちます。
ドチザメ
メジロザメ目ドチザメ科
海の沿岸域から淡水が混じる河口域まで生息し、魚やエビ、カニなどを餌として食べています。眼の下には、まぶたのような膜(瞬皮)があります。
解説イベント
おさかなのごはんタイム
開催時間 10:30~(15分程度)
相模川を再現した「流れのアクアリウム」の上流から下流・河口まで、魚たちにエサをあげながら生態などについて、飼育スタッフが解説を行います。