飼育日誌

お知らせ 2025.11.23

最近の脱皮殻コレクション

みなさんこんにちは!

みなさん、最近「脱皮殻」は集めてますか?

大人の皆さんでも、幼少期にセミの抜け殻を拾って集めた経験が
一度くらいあるのではないでしょうか。

ちなみに私はよく集めていました。

最近も飼育生物たちが脱皮をすると殻やその写真をコレクションするようにしています。
生き物たちが脱ぎ捨てた殻にはいろいろな情報が詰まっていて、
観察してみると面白い発見があります。

ということで、今回は最近手に入れた脱皮殻コレクションの一部をご紹介します!

まずはこちら。

現在ミニトーク水槽で展示中のアメリカンロブスターのハサミ(鋏脚)です。


ロブスターの仲間は別名ウミザリガニとも呼ばれ、
この名の通り大西洋に生息するザリガニの仲間です。
ザリガニと同じく大きなハサミが特徴的なのですが、
よく見ると左右で形状が違います。

薄くギザギザとした方がカッター、
分厚く刃が臼歯状になっている方がクラッシャーと呼ばれます。
カッターの筋肉はほとんどが速筋で構成されるため素早く動かすことができるのに対し、
クラッシャーの筋肉は遅筋で構成されるため大きな力を生み出すことができます。
実際餌を与えながら観察していると、
餌に勢いよく掴みかかるときはカッターを使い、
アサリなどの固い殻はクラッシャーで砕いています。

さらにハサミの可動部分を観察してみると、カッターとクラッシャーで少し構造が違います。

カッターは可動部の膜部分がピンと張るような構造になっています。


それに対して、クラッシャーは突起付きの分厚い膜が
グリグリと巻き込まれるような構造になっています。

生きているロブスターのハサミを観察するのはなかなか困難ですが、
脱皮殻の状態であれば挟まれることなく、
いろいろな角度から観察できておもしろいですね。
せっかくなら私だけでなく、
みなさんにも実際にさわって構造や動かし方を体感してもらいたいところ……。


ということで、触って動かせる標本にしてみました。

ロブスターをはじめとした甲殻類の抜け殻は、
乾燥すると関節がカチカチに固まってしまいます。
しかし、グリセリンという薬品に浸して保存することで、
関節部が完全に乾燥することなく柔軟さを保ったまま標本にすることができます。
私も初めての挑戦だったのでちゃんとできるか少し不安でしたが、
見よう見まねでやってみたところ案外うまくいきました。

こちらの標本は毎日13:30から実施のイベント「ミニトーク」で触ることができます!
ぜひみなさんもこの脱皮殻を触ってロブスターのハサミを観察してみてくださいね!

さて、もっといろいろな脱皮殻をご紹介しようと思っていたのに、
思いのほか長くなってしまいました。
ということで、次回「最近の脱皮殻コレクション②」をお楽しみに!

狩俣


2025年11月
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