飼育日誌
?ヒガイ?
相模川ふれあい科学館にきて、早いもので5か月が過ぎました。
夏の特別展の準備や夏休み特有の忙しさを言い訳にしたくないのですが、前回の飼育日誌より間が空いてしまいました…
8月後半に引地川に生物採集へ行きました。ちょうど1年前ぐらいにも採集にきた場所ですので、懐かしくもあります。
到着をして、川岸に降りて、いざ採集!となった時にあれ?と思いました。
川に降りて気づいたのですが、昨年まであった陸地がありません!陸地と言っても流された土砂が堆積して陸地となっていたのですが、それが全て取り出されていました。
堆積した土砂だけでなく、堆積していたゴミも一緒に取り払われたので川はキレイになりました。また、川幅が広くなったので水害への対策が向上したのがうかがえます。
この周辺より上流は以前と変わることなく、川のそばまで草木が生い茂っており、昨年通りでなんとなく安堵しました。
目的の生物採集ではオイカワや各種ハゼが採れました。オイカワは80尾以上採れたのですが、圧倒的にオスが少なく3尾のみで、他の80尾はすべて雌という、今までにはない、なかなか珍しい結果となりました。
3時間程度、採集した中で、今までに採れたことがなく、種類がわからない魚が採れました。
ヒガイという魚の一種ではないか?と思ったのですが、実物を見ながら図鑑等で調べてみると、体型や体色では、どのヒガイに該当するのかが分かりません…
さらに調べていると、この魚が引地川にいたこと自体に驚くべきことが分かってきました。箇条書きにしますと…
①ヒガイだとしても西日本に生息していて、関東にはいないはずの魚
②近縁の魚種(ヒガイ)の間で交雑が確認されている
③良く似た外来種がいる(外来種の可能性)
分からないことだらけで困難を極めてきましたので、この分野に長けている方にも協力を求めて、現在調べています!現段階ではヒガイの一種としていただければと思います。
今回、今までに見たことがない魚に遭遇する機会を得ましたが残念ながら、人の手によって、引地川にはいるはずのない魚が生息している状況に直面することになりました。
ヒガイの一種だとしたら、鮎の放流によって、関東に入り込んでしまった事例がありますので、この可能性が高いと思われます。
外来種だとしたら、飼っていたこの魚を川へと放ってしまったと思われます。水槽から逃げ出す可能性はかなり低いと思いますので…
少々、残念な結果をお伝えすることにはなりましたが、皆さんに身近な川にあっても、人の手による変化が生じてしまっているのを伝える良い機会になったと思います。
なんとなくで良いので、読んでくれた皆さんが気にかけていただく、きっかけになれば幸いです。