飼育日誌
お知らせ
2025.04.30
ツノ?キバ?トゲ?
みなさんこんにちは。
2年目でもまだまだひよっこ飼育員の狩俣です。
早速ですが、みなさんもう当館の春季特別企画展「世界一周!淡水魚展」はご覧になりましたか?
今回は「淡水魚展」にある魚を搬入したときのことです。
その魚とは、「クラウンローチ」という東南アジアに暮らすドジョウの仲間。
いわゆるにょろにょろとしたドジョウ型ではなく、少しずんぐりとした体に細長い顔をしています。オレンジと黒の模様が特徴の、なんとも美しく可愛らしい魚です。
このクラウンローチを特別展会場に設置した水槽に搬入しようと、予備槽から掬い上げたところ…
イタっ…!
何か尖ったものが手に当たる感覚が…。
手元を見るとクラウンローチがツノのようなものを立てて怒っています。
このツノのようなもの、眼下棘という棘状の骨で、クラウンローチをはじめとしたボティアの仲間など、一部のドジョウの仲間に備わっています。日本に生息するものだとアユモドキやシマドジョウの仲間にも見られます。
この眼下棘、普段はぴったりとスリットに格納されていて目立たないのですが、全開にするとこんなに立派なんです。
真上から見ると、まるでイノシシの牙のような存在感。
よく見ると1本の大きな棘の根元からひょっこりと小さな棘が頭を出しています。
ドジョウの仲間の一部は、この眼下棘を使って捕食者から身を守っているらしいです。なんとなくそんな話を聞いたことはあったのですが、いやはや突き刺さらなくて本当によかった…。あやうく身をもってその威力を知るところでした…。
みなさんも魚を掬う際はお気を付けください。
もしかしたら可愛い見た目の魚にも意外な所にトラップがあるかもしれません。