飼育日誌

お知らせ 2025.03.06

なぞの黒いカメ

皆さまこんにちは。
当館の「流れのアクアリウム」の左から2番目、下流域には、8匹のカメがくらしています。
水槽の前には「クサガメ」と「ミシシッピアカミミガメ」の2種類の解説版が掲示されています。

でも、よく見ると、そのどちらとも似ていない、黒いカメがいることに気づきます。


黒いカメその1

こちら、実はクサガメです。


クサガメ

本来はこんな見た目です。ほっぺたに黄緑色のすじ模様があり、目の「白目」に当たる部分も黄色くて、黒目が良く分かります。


黒いカメその2

こんなのもいます。黒、というか灰色ですね。
こちらは、なんとミシシッピアカミミガメです。


本来はこんな見た目です。ほっぺたには和名の由来となった赤い模様があります。ちなみに子供はこんなです。


ミドリガメことアカミミガメの幼体

最近の子供たちはびっくりするかもしれません。
数年前までは「ミドリガメ」として熱帯魚屋さんなどで売られていました。
現在は法規制されて、川や池のほとりで繁殖してしまったものが、たまに見られるくらいです。
(外来種としてふえまくっていますが、意外とこのサイズは見つかりません)。

…と、いうことで、この水槽にいるカメはクサガメとアカミミガメの2種類で間違いありません。
それにしても2匹とも、元の姿と全然違いますね。

カメの中には、成長に伴って色や形が変化する種が少なくありません。
よくあるパターンが「幼体から成体になる時に色や形が大きく変わる」というものです。
アカミミガメの仲間の多くが当てはまるほか、黒から灰色になっていくミシシッピニオイガメや、星模様が増えていくインドホシガメやホウシャガメも当てはまります。
もう一つのパターンに、年齢を重ねたカメが、黒くなる現象があります。
メラニズム、黒化と呼ばれます。
これはオスで老齢の個体に見られることがほとんどです。
全てのオスがなるわけではないとも言われ、早いものでは10歳未満で体の模様が消えていく場合もあります。

当館の黒2匹も両方オスで、当館に来た時からこの色でしたから、ある程度年齢を重ねていると思われます。
でも、2匹とも水中でよく泳ぎ回って、餌の時間には大きなコイやソウギョに負けずに餌を取り合っています。
まだまだ元気なおじいちゃんたちです。
是非探して見てください。

伊藤


2025年3月
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