飼育日誌
実習生体験談⑪~富永さんの場合~
皆さまこんにちは。
飼育員の伊藤です。
今回もインターンシップ生としてやってきた学生さんに、現在開催中の特別企画展にいる一押しの生き物について語ってもらいます。
彼は無類のカエル好きだそうです。ということは…。
それでは、富永さん、どうぞ。
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はじめまして。実習生の富永です。先日から、大学の学芸員実習として、相模川ふれあい科学館でインターンシップをさせていただいています。
今回は、夏季特別企画展「いきもの超☆能力展」で展示されている「コガタナゾガエル」の”超能力”についてご紹介します!
「いきもの超☆能力展」の会場(コガタナゾガエルのいるブース)
コガタナゾガエルはアフリカ大陸西部に生息しています。真っ黒な体色に赤い背中が特徴です。「ナゾガエル」という名前は、発見された当初は分類がはっきりとわからず、どのカエルの仲間に含まれるかわかっていなかったため、名付けられたようです。しかし、現在では分類がはっきりとしており、生態などもわかっています。
また、カエルといえば一般的には水辺に住み、飛び跳ねるイメージがありますが、コガタナゾガエルは乾燥した草原地帯などに生息し、はうように歩いてあまりジャンプはしません。展示水槽でも乾燥地帯を再現したレイアウトになっています。
そして、このコガタナゾガエルの”超能力”は、においで擬態することです!
コガタナゾガエルは、アリの巣にすみつくことがあります。アリはにおいで仲間を見分けており、巣ににおいの異なる侵入者がいると強力なアゴや毒針で襲いかかります。
コガタナゾガエルはアリの攻撃から逃れるために、アリと同じにおいを出し、自分を敵ではなく仲間だと勘違いさせていると考えられています。
このようにして、コガタナゾガエルは自分で巣を作ることなく、安全なすみかを得ることができるんですね。展示水槽にはアリの巣はありませんが、岩の間に潜り込んでいる姿を見ることができます。
今回取り上げたコガタナゾガエルだけでなく夏季特別企画展「いきもの超☆能力展」では、様々な超能力を持った魅力的な生き物たちがたくさん登場しています。皆さんもぜひ相模川ふれあい科学館に遊びに来てくださいね!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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いかがでしたか。
カエル好きであることが伝わってくる内容でした。
学生さんによって、注目する生き物がガラッと違うのが面白いです。
さて、次の学生はどの生き物に惹かれるのでしょうか。
楽しみにしています。
伊藤