飼育日誌

お知らせ 2024.07.31

実習生体験談⑩~伊藤さんの場合~

皆さまこんにちは。

夏休みになり、大学からの実習生が絶え間なくやってくるようになってきました。
今回の学生さんには、現在開催中の特別企画展から、本人一押しの生き物について語ってもらうことにしました。
それでは、伊藤さん、どうぞ。

はじめまして。実習生の伊藤です。
先日から、大学の学芸員実習として、相模川ふれあい科学館でインターンシップをさせていただいています。
今回は、“【夏季特別企画展】いきもの超☆能力展”で展示されているヤエヤマサソリの「超☆能力!」について、ご紹介します!


“いきもの超☆能力展“の会場(サソリのいるブース)

ヤエヤマサソリは、東南アジアやオセアニア、ポリネシアなどの森林に生息しているサソリです。
“サソリ“と聞くと、日本にいるイメージはあまりないかもしれませんが、日本にも2種類のサソリが生息しています。
そのひとつがヤエヤマサソリです(もう一種はマダラサソリです)。
日本では、沖縄諸島の一部、宮古諸島、そして名前の通り八重山諸島に生息しています。

皆さんは“サソリ”にどんなイメージを持っていますか?
大きなハサミや、毒を持った針など、強くて怖そうなイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

実はこのヤエヤマサソリ、体長が3cm程の小さなサソリです。
3cmはだいたい500円玉の直径ほどの大きさになります。
小さな虫を捕まえて食べるため、当館では小さなコオロギをエサとして与えています。
尾節についた毒針は小さいため、人の皮膚にはほとんど刺さらず、毒性も弱いため人間に対する害はほとんどありません。


展示のヤエヤマサソリ


白い入れ物の上に取り出して撮影

そんな小さなヤエヤマサソリには、驚くべき超能力があります…!
それは“単為生殖”です!
単為生殖とは、メスが単独で子どもを作ることです。ヤエヤマサソリは、オスの数が極端に少なく、なんと日本ではオスが発見されていません。なので、メスが単独で子供を作ります。
他にも、アブラムシやミジンコなどの生き物もメスのみの単為生殖を行います。
子どもを産んだ後は、1週間ほど背中の上に子供たちを背負って守ります。
ヤエヤマサソリの子どもたちはお母さんの背中で守られながら成長していきます。


ブースの壁面に描かれたイラスト

いかがでしたでしょうか?
ヤエヤマサソリの他にも“【夏季特別企画展】いきもの超☆能力展”では、様々な超能力を持った魅力的な生き物たちがたくさん登場しています。
皆さんもぜひ相模川ふれあい科学館に遊びに来てください!最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

伊藤さん、ありがとうございました。
当館で活動するなかで、小さなサソリを大好きになってもらえて、私たちも嬉しいです。
さて、次回はどんな学生さんが来て、どの生き物を好きになってくれるのか、今から楽しみです。

西田


2024年9月
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