飼育日誌

2024.02.25

寝ても覚めてもゲンゴロウ part8

こんにちは。
前partから少々間が空きましたが、今回は羽化、新成虫のご紹介です。長かったシマゲンゴロウの繁殖編もこれでひとまず最後となります。
それでは早速写真をご覧ください!

真っ白ですが、すっかり成虫の形をしていますね!眼だけが黒いのでへんな感じです。
よーく見てみるとすでに縞模様と特徴的なマロ眉(みたいな模様)が見えます。羽化した瞬間からアイデンティティを欠かさないんですね~。
この真っ白い姿が見られるのは羽化してからほんのちょっとの間だけです。引き続き土繭の中で徐々に体を乾かしていくと、体が徐々に硬くなり、本来の色が出てきます。

さっきの写真から3時間後くらいに撮った写真です。
もうだいぶ色づいていますよね。ここからもう数日体を乾かした頃に、土繭から外に出てくるはずです。

ところで、土繭から外に出てくるときって、どういう風に出てくるんでしょうか? 上から?下から?それとも特に決まりはないんでしょうか? うーん、一度見てみたいですね。

話がそれましたが、土繭から出てきた新成虫はすぐに水へと入っていき、エサを食べ始めます。しかし、最初はうまく水に潜ることができず、ぷかぷか水面に浮かんでしまうのです。しばらくすればいつの間にか潜れるようになっていますが、飼育下では念を入れて、水面につかまって休むことのできる足場を用意してあげます。

もう一つ、私が新成虫で気を付けていることとして、エサを食べ始めて数日たつまで個別で飼育するようにしています。普段は共食いなんてほとんどしない成虫たちですが、新成虫の時はやたらと共食いします。羽化したばかりでおなかが減っていることや体がまだ少し軟らかいこと、水中に自由に潜れず無防備なことが理由だと思います。
せっかく手間をかけて成虫まで育てた個体が、あっという間に食べつくされている…なんていうのはとてもショッキングですので、最後まで気を抜かずに管理するようにしています。
そうして幼虫が生まれてから1か月と少し、楽しくも大変な作業の末、ようやく繁殖のひととおりが終了となります。頑張った分、たくさんの新成虫が泳ぎ回っている姿を見ると、安心とともに達成感もひとしおです。頑張ってよかったな~と思える仕事はいいですね!

さて、全4partにわたってご紹介してきましたシマゲンゴロウ繫殖編はいかがでしたか!
シマゲンゴロウはその見た目の綺麗さからとても人気のあるゲンゴロウです。ところが、神奈川県の自然下ではその姿をほとんど見られなくなってしまい、絶滅危惧種にも指定されています。そんなシマゲンゴロウを当館でずっと皆さまにご覧いただくためにも、繁殖をこれからも続けていこうと思っています。
ぜひ当館のシマゲンゴロウに会いに来てくださいね!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

山田


2024年11月
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