飼育日誌

2024.01.21

実習生体験談⑥ ~織茂さんの場合~

皆さまこんにちは。

飼育員の伊藤です。
早くも今年2回目の特別バージョンの飼育日誌です。
今回の実習生さんは、普段それほど動物に触れあっていないのことで、当館で目に映るもの全てが新鮮だったそうです。
それもまたいい!ということで、私たち飼育員とはまた違った目線で、生き物について語ってもらいました。
それでは、織茂さん、どうぞ!



こんにちは、初めまして。実習生の織茂です。
こちらの相模川ふれあい科学館で実習をさせて頂いています。

今回、私からはゲンゴロウという水生昆虫のエサの様子について紹介します。
給餌の仕事をお手伝いさせていただいた際に、ゲンゴロウがエサを食べている所を見て「カワイイ!」と感じたので、皆さまにも共有したいと思いました。

●ゲンゴロウとは?
ご存じの方もおられるかもしれませんが、改めて紹介します。
ゲンゴロウは、コウチュウ目ゲンゴロウ科に属する大型の水生昆虫です。
幼虫は水の中で過ごし、サナギになるために陸に上がり、羽化し、成虫になると再び水の中に戻ります。


ゲンゴロウ

田んぼやため池に生息しますが、生息地の減少や農薬の影響、水質の悪化などにより日本中で数を減らしてしまい、神奈川県では絶滅してしまったと考えられています。
緑色の背中とつぶらな目を持ち、さらに水中で泳ぎやすいように、後ろ脚に毛が生えてオールのようになっている所が特徴です。
水槽の中でも想像以上にスイスイ泳いでいて驚かされました。
でも、今回私が一目ぼれしたポイントは「目」です!
黒くて丸くて、とってもかわいいです!
当館では、人ゾーンの、「水生昆虫水槽」に展示されています。ぜひ来館された際に見てみて下さい。

●エサは何を食べるのか?
「つぶらな目」の次に私が惹かれたのは、エサを食べているシーンでした。
成虫のゲンゴロウは、主に死んだ動物や動きの遅い昆虫などを食べます。
こちらで与えるエサは様々な種類があるそうなのですが、私がお手伝いさせていただいた時にはオキアミという、小さなエビのようなものを与えました。
水中にたたずむゲンゴロウの近くにオキアミを落とすと、バタバタと後ろ脚を動かして寄ってきてくれました。そして前脚を使ってエサを掴みながら器用に食べていくのです!
この様子がまるで、私たちがおにぎりを両手にとって食べているようで、とても感動しました。


エサを食べているところ。
前脚でオキアミを持って食べています!

実際にゲンゴロウがエサを食べている様子を見られる機会は少ないと思います。今回は丁度、この様子をお客様にもご覧頂け、私と同じように喜んで頂けました。
本当に良い経験が出来ました。



織茂さん、ありがとうございました。
一般のお客さまに近い目線からの感想、とても興味深いと思いました。
思えば、私も子供の頃は、メダカやザリガニがエサを食べているところを見るだけで感動していたなぁ、と思います。
生き物に囲まれるのが当たり前になると、生き物が見せるこうした行動が日常になり、慣れてしまうのが残念でもあります。
それでは、次回の特別バージョンをお楽しみに。

伊藤


2024年5月
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