飼育日誌

2023.12.22

寝ても覚めてもゲンゴロウ part7

こんにちは。
前回(part6)のつづきです。
前回はシマゲンゴロウの3齢幼虫の飼育容器や上陸の話までさせていただきました。
今回はサナギのお話です。

前回、飼育容器と上陸のお話の中で、強制上陸させたゲンゴロウ(ナミゲンゴロウ)の写真を紹介いたしましたが、その写真をみて「土、多くね?」もしくは「シマゲンゴロウの方、土少なくね?」と思った方はいらっしゃいますでしょうか?
そんな方は鋭い視点をお持ちですね!
確かに全然土の量が違うんですよ。10倍以上の差があります。なんでこんなにも量が違うのかというと、もちろん幼虫のサイズが違うからというのもありますが、実はこれは幼虫の“サナギになり方”が違うからなんです。
ゲンゴロウは前回の写真でお見せしたように、土の中にもぐってサナギになります。土の中では、自分がサナギになれるスペースとして、土をアゴで掘ったり体で固めたりしながら”蛹室“と呼ばれる部屋を作ります。
一方で、シマゲンゴロウは土にもぐらず、土を自分の周りに積み重ねることで繭のような蛹室を作るのです。


土にもぐらず蛹室を作るので、深さが必要ありません。ですので、土の量が少なくても良いのです。
上の写真では、クリアケースの角を使い見事な土繭を作り上げていますね!
この見事な繭を作る様子も写真に収めていますので、ご紹介いたします。

ちょっと見づらいですが、幼虫がアゴで周囲の土をつかんで積み上げている様子が分かるかと思います。
つかんで積んで、つかんで積んで…ときどき体で押し固めて…と、繰り返して土繭を作り上げていきます。時間がかかる作業に思えますが、ちょっと別の作業をして戻ってくるともう作り終わってる!なんてこともよくあります。意外と手際がいいんです。やはり陸上で無防備なのはできるだけ避けたいということでしょうか。
ちなみに、“細いアゴでつかんで、土同士をくっつけて積み上げていく”という作り方なので、土は乾きすぎてもベチャベチャすぎてもうまく繭を作れないようです。私はいつも湿地の水際の土をイメージしなら水分調節をしています。シマゲンゴロウはきっとこんな感じの土が好みだろう~!なんて考えながら作ると楽しいですよ。実際にその土で繭を作ってくれた時は、なんともいえない嬉しさがあります。

さて、こうして出来上がった土繭の中でサナギになっていくのですが、まあ当然中の様子なんて見えないわけです。
しかし今回はたまたま、繭が上手く作れず土の上でじっとしている個体がいましたので、観察しやすいように私が作った人工の蛹室でサナギになってもらいました。そのおかげでサナギの写真もばっちり撮れましたのでそちらもご紹介します!

蛹室に入りたての時の写真です。水の中で活動していた時よりも太く、短くなっていますが、幼虫の姿はまだ残っています。これは前蛹といって、サナギになる準備をしている段階です。

こちらがサナギになりたての時の写真です。前蛹は言ってしまえばまだ3齢幼虫で、脱皮をすることでようやくサナギとなります。白く輝くサナギの下に脱ぎ捨てた皮が見えますね。
ここまで来てしまえばあとは無事に羽化してくれるのを待つばかり。サナギの期間は気温で多少前後しますが、ゲンゴロウは大体1か月くらい、シマゲンゴロウは2週間ほどです。
気にしていなければあっという間ですが、羽化を今か今かとワクワクして待っていると、とても長く感じます(笑)。こればっかりは、幼虫を信じてじっと待つしかありません。

さてさて、今回もかなり長い内容になってしまいました。いよいよ次回で最後?になりそうです。
羽化と成虫のお話を考えておりますのでお楽しみに!

山田


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