飼育日誌
寝ても覚めてもゲンゴロウ part 5
こんにちは。
今回はシマゲンゴロウのお話をさせていただきたいと思います!
はるか彼方…2020年に投稿したpart3では、シマゲンゴロウの触りの部分をご紹介いたしましたが、今回は繁殖の話をしたいと思います。
そう、何を隠そう実は当館では、ナミゲンゴロウだけでなくシマゲンゴロウも繁殖にチャレンジしていたのです!!!
チャレンジ自体は2020年から開始しており、新成虫(その年に生まれた成虫)を羽化させることができていましたが、その後の越冬で失敗してしまいしばらくシマゲンゴロウチャレンジは中止となっておりました。
しかし、本年度より新たに親となるシマゲンゴロウを迎えることができましたので、継代飼育にむけた繁殖の再チャレンジがスタートしました!
そして……無事、本年度も新成虫を得ることができました!
ですので、今回からいくつかのpartに分けながら2020年では紹介できなかったその成長過程を、写真をまじえてご紹介いたします。
早速ですが、こちらがシマゲンゴロウの1齢幼虫です。
シマゲンゴロウは、3mmくらいの卵を植物の表面などに産み付けます。今回は水温が25℃くらいのときに最初の産卵を確認しました。数日すると幼虫が孵化してきますが、孵化した幼虫は7mmくらいと卵よりかなり大きい状態で出てきます。
小さな卵から大きな幼虫が出てくるなんて不思議ですよね。この謎の答えは、卵の中の幼虫の体勢にあります。
上の図を見てください。
実はシマゲンゴロウの幼虫は、頭とお尻のほうを折りたたんで卵の中に入っているのです!
人間で考えると、とんでもない過酷な体勢に思えますね…(笑)
ただ、実際にこのような体勢をとると幼虫がコンパクトになります。そうなりますと、親は産む卵の大きさを小さくすることができます。小さな卵であればたくさん産むことができるので、生存には有利に働くのではないでしょうか(根拠はありません)。
折りたたまっているメリットについてはあくまで私の想像ですが、なんでそうなっているんだろう、と考えると面白いですよね。
さて、幼虫の基本的な話に戻りますと、幼虫は生きた虫やオタマジャクシなどを襲って食べます。当館では、アカムシと呼ばれるユスリカ類の幼虫やコオロギなどを与えて育てました。
エサやり→水替え→エサやり→水替え→……と続けて5日ほどすると、1齢幼虫は脱皮をして2齢幼虫になります。
上の写真が2齢幼虫です。
体も多少大きくなりますが、なにより頭が一回り大きくなり、より大きなエサも食べられるようになります。
エサは体の大きさからは想像できないくらいたくさん食べます。食べた分、体がどんどん大きく膨らんでいくので、脱皮直後の2齢幼虫と数日たった2齢幼虫では、見た目の大きさが全くちがうので驚かされます。このすくすく成長していく感じがとってもうれしくてかわいいんですよ~。幼虫飼育の醍醐味だと思っています。
体はどんどん大きくなっていきますが、エサをどれだけ食べても頭の大きさは変わりません。頭は脱皮しないと大きくならないのです。
毎日育てながら観察している私ですが、よく1齢幼虫の終わり際か2齢幼虫のはじめのころか分からなくなることがあります。そういうときは頭の大きさで判断しています。
さて、次は3齢幼虫なのですが、話したいことが多く文章量がかさみすぎてしまいそうなので、今partはここまでにしたいと思います!!
次回もお付き合いいただけますと幸いです。
山田