飼育日誌

2023.05.17

コイの赤ちゃん

皆さまこんにちは。
ゴールデンウイーク前に「流れのアクアリウム下流」の大きなコイ2匹を、人ゾーンの「水上散歩水槽」に移動しました。


引っ越しした2匹。結果的にお父さんお母さんに。

無事に移動させることができて一安心、と思いきや…。
その数日後に水上散歩水槽をのぞくと、底にひいた砂が、なんだかごわごわブツブツしています。
よく見てみると、どうやら卵です。卵に砂粒がくっ付いてダマになっていたのです。
しかも水がうっすら白く濁っています。これはもしかすると受精しているかも、ということで可能な範囲ですくい出し、バックヤードで様子を見ることにしました。


「毛仔」とも呼ばれるコイの赤ちゃん(仔魚)

そわそわ待つこと数日間、小さなコイの赤ちゃんが無事、生まれてきました。
どうやら、移動した2匹はオスメスで、これは幸運でした。
深い水槽から、浅くて暖かい水槽に移動したことが、自然界における「乗っ込み」こと産卵遡上の刺激になって、繁殖のスイッチが入ったのかもしれません。
現在、バックヤードの水槽で、育ててみています。

養殖業者や錦鯉繁殖家は「毛仔」と呼びます。
ちなみに金魚の仔魚は「針仔」と呼び、私は金魚歴が長かったこともあってつい、針仔と呼んでしまいます(間違いではないようですが…)。

かわいい毛仔たちは、生まれて数日の間、オタマジャクシのように水槽のカベや底でじっとしていましたが、現在は元気に泳いでいます。
餌はワムシとアルテミアです。「ちっちゃな生き物展」のエサ用にワムシをふやしていて良かったです。

今のところ元気そうに見えますが、コイを育てるのは初めてのことなので、毎朝ドキドキです。以前、別の魚の赤ちゃんを育てていた時に「前日まで元気だったのに…」ということが何度もありましたので、気を抜かずにお世話したいと思います。

この感動と体験を是非皆さまにも、ということで、当館の「実習生による水槽展示」で一部をお見せすることにしました。
いつもなら実習生さんに内容を決めてもらうのですが、今回は「コイの赤ちゃん、どうかな!」とプッシュして、快く?課題として受けてもらいました。感謝です。


急ピッチで展示更新。お疲れ様でした。

短期間の展示となる可能性もございます。この機会に是非ご覧下さい。

伊藤


2024年10月
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