飼育日誌
稚魚ってきれい!
皆さまこんにちは。
9月半ばに「実習生による水槽展示」が新しくなりました。
今回も、学芸員を目指す熱意ある学生さんが、こだわって展示を作ってくれました。
今回のテーマは「川や池の小さな魚の正体は…」です。
小魚の群れの中からメダカを見つけてみよう!というものです。
皆さまが相模川に行ったときに、メダカの群れを見た記憶があるかもしれません。でも、たぶんそれは見間違いです。実は、今の相模川にメダカはほとんどいません。特に在来のメダカ(ミナミメダカ)は、厚木産のものが研究所などで飼育繁殖されているだけで、自然のものはほとんど残っていないと言われています。
では、水辺で見かけたあのメダカっぽい魚はなんだったのでしょうか。おそらくですが、中流域であればオイカワやカワムツといったコイ科の稚魚、下流域であればハゼ科やボラの稚魚でしょう。
下の写真を見て下さい。
こうして拡大して横から見てみるとまるで違いますね。展示ではいくつかの見分けるポイントを解説しています。川でちょろちょろ泳いでいる魚を上から見ただけだと、私たちですら見分けづらいものです。そのあたりを感じて頂けるいい展示になりました。
さて、展示の本筋とは少しずれるのですが、今回、改めて稚魚をまじまじ見てみると、これが「意外とイイ!」「美しい!」と再認識しました。
以前に別の職場で、シラスの繁殖展示を手掛けたことがあります。シラスはイワシの稚魚ですが、成魚とは形や色、動きもまるで異なり、まるで別の生き物のようだと感激したものです。
※えのすいのシラスサイエンス
淡水魚でも同じような感覚を味わえるなと思いました。成魚を見慣れたウグイやカワムツも、稚魚は細くて透明で、まさに「川のシラス」とでも呼びたくなるような魅力があります(ほめ過ぎでしょうか)。
本展示は10月半ばまでの予定です。ご来館の際は是非、足を止めて見比べて頂けたら嬉しいです。
伊藤