飼育日誌
2022.08.16
新種のカエル?
皆さまこんにちは。
お盆に先立ち、新しい展示をいくつかスタートしました。
ひとつは「川の多様な生き物水槽」のカエルたちです。
少し前まで別のコーナーで展示していたヌマガエルとツチガエルです。
「川の多様な生き物水槽」は、表裏からお客さまにご覧頂ける開放感が魅力ですが、視線の多さにカエルたちがそわそわしてしまわないか心配でした。
隠れるスペースを多めにしてみたところ、いつも中のカエルの半分くらいは顔を見せてくれていますし、今のところよくエサを食べています。
まずは安心です。
そんな矢先、驚くべきニュースが!
日本にいるツチガエルのうち、関東から東北にかけての太平洋側のものはよく似た別種、つまり新種だと言うのです。提案された新しい和名(日本語の名前)は「ムカシツチガエル」。
両種の見た目はほとんど同じだそうですが、新種と聞くとなんだかロマンを感じます。
その研究をかいつまんだ記事を読むと、ムカシツチガエルとツチガエルの分布の境目は、当館のある神奈川県内にあるとのこと!
論文から抜き出された地図を見ると、相模原のものはムカシっぽいですがビミョーです。もしかするとムカシとツチ両方がすむ可能性もあるかなと思い、しばらくは解説板をツチガエルのまま、すえ置くことにしました。
ツチガエル(写真のものは神奈川県東部産なのでムカシだと思われます。)
また、私個人の考え方として、このように新しい種や和名が発表されたときは、少しの間様子を見てみることにしています。新種であることに意見を出す研究者や、後から提案された和名が定着することもありうるからです。
展示ではたくさんいるヌマの方が目立っていますが「ムカシかもしれないツチ」もさがして見てください。見分け方をイラストで貼っておきました。
伊藤