飼育日誌

2022.06.09

神奈川県のヌマガエル

皆さま、こんにちは。

6月9日より館内右奥、両生類水槽わきの「実習生による水槽展示」で、新しい展示が始まっています。
学芸員を目指す実習の大学生さんが作ってくれました。

この水槽は、実習生さんが生き物のチョイスから水槽内のかざり付け、解説の作文まで手掛けています。

今回のテーマはずばり「国内外来種のカエル」
ちょうど卒業論文を手掛けている大学生らしい、アカデミックな内容です。

ヌマガエル、東日本にお住いの方々にはなじみのないカエルだと思います。
それもそのはず、東日本にはもともといなかった種なのです。
それがここ10数年の間にぽつぽつとみられるようになっています。
この近くですと、相模川ではまだ見つかっていませんが、隣の境川(昔は相模川でした)では、いる場所がふえてきてしまっています。

このカエルがどこから、どうやって神奈川県まで来たのかは、よく分かっていません。
ペットとして飼われることも少ないですし、餌として大量に売られるわけでもありません。
ヌマガエルの“強さ”として、乾きや暑さ、うすい塩水にも耐え、吸盤がないのに壁や急な坂を登るのが得意、といったことが分かっています。
他のカエルよりも生き延びやすく、気づかずに資材などにまぎれて移動したあとでも、元気にくらせてしまうのかなと思っています。

当館の展示としてはややかたい内容ですが、研究者の卵である卒論生の考えがこもっています。大人の方はぜひ解説を読んで、子供たちにかいつまんで伝えて頂けたらうれしいです。

伊藤


2024年11月
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