飼育日誌
貝の赤ちゃん①
皆さんこんにちは。
先日、竹本飼育員がタナゴの赤ちゃんについて「本当は二枚貝に卵を産む」ことを書いてくれていました。今回はその貝のお話です。
実はわたくし、カニだけでなく、二枚貝についてもちょっとハマっています。
中でも興味があるのが、その赤ちゃんのくらしぶりです。
日本の川にいる二枚貝(イシガイ類)は、卵を自分の体のすき間に産んで抱き、赤ちゃんに育ててから外に放出します。
この赤ちゃん、誤解を恐れず一言で言えば「寄生虫」です。
このことは、館内タナゴ水槽の向かいの壁に大きく解説されていますが、気づかない方もおられます。
大きさは大きくても1ミリ以下。泳ぐこともできません。そのままだと1~2日の命です。
赤ちゃんにできることは、1対の殻をパクパクさせて、近づくモノに全力でかみつく。それだけです。
かみついた相手が運よく、相性の良い生き物なら、まずは一安心です。
(実は運だけじゃなさそうなのですが、その話はまたいつか)。
寄生生活の始まりです。
壁の解説だと、相性の良い相手はハゼ、と書いてあります。まあ正しいのですが、貝の種類によっては、ハゼだとダメだったり、逆にハゼ以外にもいくつか相性の良い相手があるものもいます。私が最近注目しているのは、当館の人気者、ウグイです。
過去に、それについて私が語った記事があるので、リンクしておきますね。
こちらの記事で「ぐっさん」と呼ばれるものこそ、貝の赤ちゃん「グロキディウム」です。
いやぁ書いていて楽しいですが…話がどんどん長くなっていきそうなので、今日のところはこのあたりで。
続きが待ちきれない大人の方は、私の苗字と貝の名前でググってみて下さい(マニアック過ぎるので要注意!)。
さてさて、ウグイやハゼにかみついた赤ちゃんの運命やいかに?
つづく。
伊藤