飼育日誌
2022.02.28
逆立ちする魚?
皆さんは「ヘコアユ」という生き物を知っていますか?比較的暖かい海の浅場にすんでいる魚です。
名前に「アユ」と付いているので、河川で見ることのあるアユと近い仲間なのかと思いきや、似ても似つかない見た目をしていて、実際にはタツノオトシゴなどと近い仲間だと言われています。(正直、タツノオトシゴとも似ていない気がしますが…)
では、どんな見た目をしているのかといえば
こんな姿形をしています。
ん?この魚、下を向いているの?
と思った方もいるかもしれません。
その通りヘコアユは、逆さまになって泳ぐのが得意な魚なのです。
一般的に魚といえば、横向き(水平方向)になって泳ぐものをイメージする方が多いのではないでしょうか。
そういう意味では、ヘコアユの泳ぎ方は他と比べても少し変わっていますね。
そんなヘコアユの体はとても平べったく、硬い甲板で覆われています。そのため、体を曲げて泳ぐことができず、小さなヒレだけを使って泳ぎます。
体が平べったいことでいいこともあります。ウニの仲間であるガンガゼの棘のすき間に入り込むことができ、敵に見つかりにくくなるといわれています。
その他にも、ヘコアユの口は細長いストロー状になっていて、エサとなる動物プランクトンを吸い込むようにして食べます。
ここまで、逆さまになって泳ぐヘコアユについてご紹介してきましたが、ヘコアユは常に逆さまな訳ではありません!
主にあわてて逃げる時などに、体を水平にしてすばやく泳ぐことがあります。
この姿をみると、今更ながらなんで逆さまになって泳ぐようになったんだろうと思ってしまいますね。
じっくりながめていると、水平になって泳ぐ姿も観察できると思います。
ご来館の際はぜひ、海の生き物水槽にて展示中のヘコアユをご覧になってください。
西田