飼育日誌

お知らせ 2021.12.22

ありがとう、そしてようこそ!

みなさまは、相模川ふれあい科学館の中でどの生き物が好きでしょうか?
当館の人気者の一つがこちらのオオサンショウウオです。

オオサンショウウオは本来、岐阜県より西の地域に生息しており、関東地方にはいない生き物でもあります。
相模川を紹介する当館には少々不似合いな生き物のように思われますが、当館がオープンした昭和62年に、その記念として岐阜県の施設から5個体が寄贈され、当館での展示と飼育の歴史が始まりました。それ以来、多くのお客様に親しまれ、川にすむ日本固有種の素晴らしさを伝えてくれています。その大きさとゆったりとした動きはまさに川の主といったところです。

2016年からは、岐阜県の世界淡水魚園水族館の個体を借用して展示しておりましたが、その借用期限が本年度までとなっており、新規個体を導入する準備を続けていました。
そして広島市の安佐動物公園から1個体を分譲して頂けることになり、11月に個体を入れ替えることとなりました。

11月24日の朝に展示していたオオサンショウウオを取り上げ、車に積んだタンクに入れて、

大切に世界淡水魚園水族館まで運び、無事に返却をすることが出来ました。

当館で展示・飼育を続けて、無事にお返しすることが出来て、ほっとしました。
当館に来てから5年間、本当にありがとう!
そしてそのまま車を走らせて広島まで、ロングドライブ。

翌11月25日に安佐動物公園で、1個体を頂き、再び車に積んだタンクに入れて、一路相模原へ。

ここからが大変で、オオサンショウウオは高水温には弱いため、低水温を維持しなければなりません。
車の中はこの時期なのにクーラーを稼働させて、冷え冷えした環境を維持して約10時間移動を続けました。

19時過ぎにようやく到着して、市役所の関係者の方々の立会いの元、展示水槽へ収容しました。

安佐動物公園の方から事前に、オオサンショウウオは空間認識能力が高く、しばらくは動き回ることをお聞きしており、その通りに水槽内を良く動き回っていました。
日が経つにつれて、落ち着いてきて好みの場所を見つけたようです。
飼育係としては、これで終わりではなく、ここからが本当の始まりです。
今回の個体は、9歳の雄になります。
以前の個体よりは色が薄く、まだまだ若く小さい個体ですが、大切に飼育していき、沢山の方々にオオサンショウウオの素晴らしさを伝えていければと思っております。


ようこそ相模川ふれあい科学館へ!

波多野


2024年11月
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