飼育日誌

2021.11.14

ヤゴ捕りの珍客

こんにちは。
どんどん冬めいてきましたね。
外の虫たちもだんだんと来る冬に向けて越冬の準備をし始めるころです。
水生昆虫の中には、成虫で越冬するものや幼虫で越冬するもの、水中で越冬するものや陸上で越冬するものまで様々な種がいますが、今回私が探していたのはトンボの幼虫、ヤゴです!
トンボの仲間の多くは幼虫(ヤゴ)の状態で、水中で越冬します。そのため今の時期に池や用水路などを網でガサガサ掬うと、越冬準備中のヤゴたちがたくさん捕れます。
今回探したのは当館近くのちょっとした水溜まりです。

探す場所によって、捕れるトンボの種類も変わります。今回探した場所で捕れたのはこの2種、オオシオカラトンボ(上)とウスバキトンボ(下)です。
いわゆる普通種で、水があまり流れない池や水溜まりなどでよく見ることができるトンボたちです。
狙い通りに捕ることができたので、しめしめと思っていたら網の中に思わぬ珍客が入っていました。

この細く長い体と脚、鎌のように発達した前脚、間違いなくミズカマキリです!
ミズカマキリは神奈川県では見かけることの少ないちょっと珍しい水生昆虫です。
今回捕れた場所はよく水が無くなってしまう不安定な環境なので、ここに棲んでいるとは考えづらく、どこかから飛来してきた個体だと思うのですが、なんと同じ場所で3個体も捕ることができました。
ミズカマキリは他の大型水生半翅(水に棲むカメムシの仲間)と比べ、飛翔能力が高いと言われていますが、それでも同じ場所で3個体飛んできているということは近くに安定したミズカマキリの住処があると考えられます。全然知らなかったので来年探しに行ってみたいですね!
越冬する場所を探してたまたまここに来たのかなあ、などと考えつつ、この先もずっとこの虫が見られるといいなあと願うばかりです。
さて、最後になりましたが、何故私がヤゴを探していたかというと、新しくヤゴの展示を開始したからです!

来館された際には、ぜひ田んぼの生き物水槽までヤゴたちを見にきてくださいね。
皆様のご来館を心よりお待ちしております。

山田


2024年11月
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