飼育日誌

2021.09.16

水溜まりのゲンゴロウ

こんにちは。
皆さまは当館の前の広場にある水盤や段滝をご存じでしょうか。

水が抜かれておりますが、こちらが水盤です。
時を遡り、2か月前の7月ごろ。この水盤にはまだ水が張っていて、そこに「ゲンゴロウがいる!」と教えてくれた男の子がいました。
どれどれ…と見に行ってみると、

いた!こいつか!

確かにゲンゴロウです!
このゲンゴロウ、正確には「ハイイロゲンゴロウ」といいます。
近くを探すと何匹も見つけることができました。

このハイイロゲンゴロウ、実はとってもユニークなゲンゴロウなんです!
今回は私が思う、「ハイイロゲンゴロウのここがすごい!」を3つご紹介いたします!

まずひとつめは、飛ぶのがすごく上手なこと!
他のゲンゴロウの仲間の多くは一度水から陸に上がり、翅を乾かしてから飛ぶのに対して、
このハイイロゲンゴロウはなんと水面から直接飛ぶことができるのです!! 
網ですくっても、網からすぐに飛んでいってしまうので、観察したいときは蓋つきのケースが必須です!

ふたつめは、息継ぎがすごく速いこと!
ゲンゴロウの仲間は、お尻から呼吸するための空気を背中にため込みますが、
このハイイロゲンゴロウはその動作がめちゃくちゃ速いんです! 
観察していると、ほとんど止まることなく水面で息継ぎをしているのがわかります。目にも止まらぬ早業です!

みっつめは、水溜まりにもいること!
ハイイロゲンゴロウはとても頻繁に水辺間を移動するため、一昨日の雨でできた水溜まりにいた!なんてこともあったりします。 
そういった水が安定していない場所のことを、難しい言葉で「一時的な水域」と言ったりしますが、
他のゲンゴロウたちがいないとこにも入り込めるのは、このハイイロゲンゴロウの大きな強みなのです! 
極端な例ですが、東京の池袋の水溜まりで見つかったこともあるとか…

さて、そんな身近なハイイロゲンゴロウですが、足元の水溜まりに居ても気づかない人はたくさんいらっしゃいます。
そんな中で、当館の水盤にいるハイイロゲンゴロウに気づいて、それをゲンゴロウだと見抜いた実力、すばらしいですね!
2か月経過した現在では水盤の水は抜かれていますが、今でもまだ水の残っている場所(下写真)で
ハイイロゲンゴロウを見つけることができました!





最後の写真は、水溜まりの底の泥に隠れているハイイロゲンゴロウです。
皆さんもぜひ足元の水溜まりの世界をのぞき込んでみませんか!
実は当館の水盤、段滝にはハイイロゲンゴロウとは別のゲンゴロウも潜んでいることがあるんですよ…!

山田


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