飼育日誌

2020.09.03

潮を招くカニ?

皆さんこんにちは!

9月に入っても、まだ暑い日々が続いていますね。
皆さんは例年暑い夏をどのように過ごされていますか?
生き物採集が大好きな私は、夏の時期には海や川に出かけることが多いです。
今年はあまり行けていませんが・・・
様々な生き物と出会うことができるので、みなさんもぜひ採集に出かけてみてください!

それでは本題に入りましょう、今回は8月末より当館の海の生き物水槽で展示しているカニの仲間、
ベニシオマネキについて紹介します。

ベニシオマネキは主に熱帯、亜熱帯地域のマングローブ帯や干潟などで穴を掘って暮らしています。
カニの仲間の多くは名前に「〇〇カニ」や「○○ガニ」と付きますが、ベニシオマネキには付いていません。
それでも列記としたカニの仲間なのです。
シオマネキという名前は、オスが求愛する時に大きなハサミを振る様子が
満ち潮を招いているように見えることから名付けられました。

シオマネキの仲間が、他のカニと大きく異なる特徴は、やはりオスのハサミが片方だけ大きくなる点ではないでしょうか。
初見だと、片方のハサミだけとれてしまっているのではないかと思うかもしれません。
しかし、メスのハサミは大きくはなりません。実に不思議ですよね。

オスのハサミが大きいのは、
・メスにアピールをするため
・敵から身を守るため
などの理由が考えられています。

さらに、シオマネキのオスのハサミは、左右どちらが大きくなるかは決まっていません。
ベニシオマネキでは、右の方が大きくなる割合が高いという見解もあるようですが、
他のシオマネキでは、その割合も違ってくるみたいですね。

現在当館では、右が大きな個体と左が大きな個体が同数展示されています。
もちろんハサミの小さなメスも展示されています。

ここまで、シオマネキについて簡単にご紹介しましたが、ご来館の際はぜひ近くで観察してみてください。

西田


2024年10月
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