飼育日誌

2020.06.16

浮いたやつ

みなさんは水族館に行くと、どんなものに興味を惹かれますか?
カラフルなものや活発に動き回るものなど、色々あると思います。
  
注目を集める生き物もいれば、中々注目してもらえない生き物もいます。
そのひとつが“動かないもの”です。

でも、動いていないものにも魅力はたくさんあります。
  
ということで、ただいま小川の実験観察テーブルでは、
動かないけれど面白い、浮かぶ水草をご紹介しています。

このロゼット状の葉っぱが特徴の水草は、“ヒシ”といいます。
このヒシ、見たことがない方も多いかと思いますが、
実はとても私たちに馴染み深い植物です。

図形の一つに“ひし形”というものがありますが、
この“ひし形”は、ヒシの実の形からきています。

そのヒシの実がこちら。


左が収穫したてのもの、右が乾燥させたものです。

トゲがあり、中々変わった形をしています。
乾燥するととても硬くなることから、
忍者が用いた道具として知られている
撒菱(まきびし)として利用されたそうです。

実はこのヒシの実、食べることができます。
茹でて皮をむき、そのまま食べたり、炒めて食べたりします。
ほんのりと甘みがあって、芋や栗のような食感だそうです。

なんと、このトゲトゲしたヒシの実を好んで食べるということから
“ヒシクイ(菱喰い)”と名前のついた鳥もいます。

色々な生き物がいますね。

亀ヶ谷


2024年11月
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