飼育日誌
2020.05.14
きれいな婚姻色
淡水魚には産卵期になると、婚姻色を呈するものがいます。
その中でも特にきれいな婚姻色を見ることができるのがタナゴの仲間です。
明るい色から暗い色まで、様々なカラーバリエーションがあるのも魅力の1つです。
婚姻色を呈するのはオスで、メスの気をひくためだと考えられています。
そこで今回は、当館で飼育しているタナゴの仲間13種の中から3種の婚姻色をご覧いただこうと思います。
まずは、ミヤコタナゴ
ミヤコタナゴは国の天然記念物に指定されるなど、野生での生息数が著しく減少している種です。
婚姻色が出ると、写真のように腹部と鰭が広範囲に橙色に変わります。また、臀鰭下部は黒色になります。
個体によって色が出る度合いに差はありますが、腹部が橙色になるのはミヤコタナゴの大きな特徴です。
次はシロヒレタビラ
その名の通り鰭に白色帯の婚姻色を呈する種です。
最も特徴的なのは臀鰭下部の白色帯で、遠目に見てもはっきりと確認できるほどきれいです。また、下腹部は黒色になります。
最後はヤリタナゴ
口ひげが長いのが特徴の種です。
体が細長いことから「槍→ヤリ」と名付けられました。
背びれ上部、臀鰭下部、腹部が赤色になるのが特徴です。
ここまで3種のタナゴの婚姻色をご覧いただきましたが、皆さんどのタナゴの婚姻色に目をひかれましたか?
他にも、婚姻色がきれいなタナゴの仲間がたくさんいます。
近頃、自宅での時間が多い方はぜひ、お気に入りのタナゴを見つけて、描いてみるのもいいかもしれませんね。
西田