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飼育日誌
2019.10.06相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら

坂道水槽一部改修

皆さんは「魚道」というものをご存知でしょうか?
聞きなれない言葉かもしれませんが、簡単に説明すると、河川にあって字のとおり魚が通る道のようなものです。
主に、魚類や甲殻類が成長や産卵のために河川の上流へ遡上する時などに必要なものです。
魚道にも様々な種類があります。プールタイプ、水路タイプなどなど、細かく分けるとさらに多くそれぞれに特徴があります。
とても奥の深い構造物であり、河川で魚道を見つけるとついつい眺めてしまうものです。

今回なぜ魚道について紹介しているのかというと・・・
当館には目玉の一つとして魚道を再現した水槽、坂道お魚観察水槽があるのですが、
その一部改修を行ったからです。すでにお気づきの方もいらっしゃるのでは?
坂道お魚観察水槽では、プールタイプの階段式魚道を再現しています。


(階段式魚道)

階段式魚道は基本的に平面の水路に壁をつくる事でプール状の水たまりが形成され、同時に壁を超える越流が生じます。
そんな階段式魚道を再現した水槽のどこを改修したかというと、階段状の流れをつくる上で最も重要といえる壁の部分です。
以前は、木などを用いて再現していましたが、今回はコンクリートを用いています。


実はこのコンクリート壁の改修にはかなりの時間を要しました。
それにはいくつかの理由があります。

まず、第1の難関。
設計図通りのコンクリート壁をつくるのに悪戦苦闘。うまく固まらなかったり、表面がデコボコしたり。

やっとの思いで完成した後に第2の難関。
いざ水槽に入れようとすると、かなりの重量で・・・ 職員3人で何とか水槽の中へ。

そこでさらに第3の難関。
きれいな越流を生じさせるための流量調整です。コンクリート壁の位置を少しずらしたり、高さを調整したり。
位置が少し前後したり、上下するだけで水の流れが変わってしまうため特に苦戦しました。
そして、3つの難関ポイントを乗り越えついに完成しました。
きれいな階段状の越流を再現することができました。


さらに、改修後からアユが越流を超えていく様子が以前より見られるようになりました。
もちろん他の生き物たちも遡っています!コンクリート壁にくっついているスミウキゴリなどのハゼの仲間もおすすめです。

ここまでコンクリート壁の改修について紹介しましたが、他にも新しくなっているポイントがいくつかあります。
その中からもう1つ紹介します。
それは、水槽内にいる3種のカニの仲間が利用する陸場です。ブロックを積み重ねたものを設置しています。
設置してすぐは、使ってくれるか不安もありましたが、今ではカニの仲間だけでなく、カジカやスミウキゴリも住処として使ってくれています。
ブロックの隙間まで観察してみてください。


最後になりましたが、坂道お魚観察水槽で生き物の観察した後に是非、離れた位置からコンクリート壁の越流を眺めてみてください。
とてもきれいな階段状の流れを堪能することができます。
おすすめのビューポイントは、「館内右奥にある階段の中段」です。


色々な角度から写真を撮ってみてくださいね。
そしてこれを機に魚道について興味を持ってみてはいかがでしょうか

西田