飼育日誌
2019.07.23
トンボの幼虫
皆さんこんにちは。
いよいよ本格的な真夏の暑さになってきましたね。
当館の周辺ではトンボをよく見かけるようになりましたが、
皆さんはトンボの幼虫「ヤゴ」を見たり、捕まえたりしたことはありますか?
ヤゴは成虫になるまでは、流水、止水域を問わず陸水域で暮らしています。
幼虫はさほど大きくありません。さらに、泥や砂に潜っていたり、石の陰に隠れていることも多いため、
普段から頻繁に目にすることはない生き物なのではないでしょうか。
そこで当館では7月20日から、田んぼの今水槽で2種類のヤゴを展示しています。
1種目はオニヤンマのヤゴです。
オニヤンマは日本最大のトンボで、ヤゴの状態で数回越冬もします。
羽化直前には、他種のヤゴと比べても特に大きく成長しています。
腹部の背中側に2本の黒色斑列があるのが特徴です。
じっくり観察すると水槽のガラス越しに確認できると思います。
2種目はミヤマサナエです。
サナエトンボの仲間で、「サナエ」という名前は、晩春~初夏の早苗とりの頃に羽化するものが多いことから付けられました。
サナエトンボ科のヤゴの中ではホンサナエに似た見た目をしていますが、体がより扁平であるような点から種判別されます。
また、腹部第9節の背中側に棘があり、腹部第7~9節の側面にも棘があるのが特徴です。
棘に関しては、実体顕微鏡がないと確認しにくいため、裸眼での種判別は難しいと言えるでしょう。
水生昆虫の図鑑とにらめっこしつつ、顕微鏡を覗いていると、改めて奥の深い世界だなと感じます。
ご来館の際はぜひ、2種のヤゴを眺めてみてください。
西田