飼育日誌
川にすむエビ
今日は、川にすむエビについてご紹介をしたいと思います。
身近ですが意外と知られていないのではないでしょうか。
川エビの唐揚げなんてみなさん食べたことありませんか。
川で生き物の採集をしていると割と簡単にとれます。
ですが、種類の同定が意外と難しいので、一括りで川エビなんて呼ばれたりしますね。
今回は代表的なものを先ず2つご紹介します。
ヌカエビ
ミゾレヌマエビ
この2種類、姿はとても似ています。
パッと見たところは同じですよね、ほとんど。
しかし、ヌカエビが分類されているヌマエビ属という仲間には、眼窩上棘(がんかじょうきょく)というトゲがあり、ミゾレヌマエビが分類されているヒメヌマエビ属という仲間にはこのトゲがありません。
ヌカエビを真上から見た時に見えるこのトゲ。
ミゾレヌマビにはこのトゲがないのです。
その他、頭胸甲という頭部と胸部を包む殻の先端にある角(額角)についているトゲの数や位置も分類上の重要な形質になります。
ヌカエビでは、額角の上縁のトゲが眼の後ろまでこない。
ヌカエビによく似たヌマエビとはこのトゲの位置で区別されます。
ミゾレヌマエビでは、額角の上縁の先端部には、他と離れた1~2個のトゲがあります。
その他にも色々と違いがあり、ここに書くと長くなってしまいますので、この辺で。
実は、当館のミニ企画展示コーナーで、
「もっと知りたい相模の自然」をテーマに、外部機関との連携として、色々な生き物をご紹介するコーナーが始まっています。
第一回は、「神奈川県水産技術センター内水面試験場」との共同企画として、「小さなエビの大きな脅威」として相模川の川にすむエビについてご紹介しています。
今回ご紹介したヌカエビ、ミゾレヌマエビも展示しています。
ヌカエビは特に数が減っているようで、外来種の影響も大きいようです。
その辺りもまたご紹介出来ればと思っています。
では問題です。
このエビは、ヌカエビ?ミゾレヌマエビ?
7月9日までの展示予定となっていますので、この機会に是非とも相模川にすむ川エビたちを見に来て下さいね。
(正解は、ヌカエビです。)
波多野