飼育日誌
2014.11.23
おいら、毛ガニじゃないけど。
今の時期、水位の低い用水路などで大きなカニを目にする事があります。
その名はモクズガニです。
相模川では最大級のカニで、甲らの幅が約8㎝になります。
たかが甲幅8㎝ですが、左右の脚を広げると30㎝近くなり、並みのバケツに入れても、縁に足を掛けて這い出す…。
それくらい大きなカニです。
毛がモサモサ生えた大きなハサミを見ると、思わず「毛ガニィ~!」と呼びたくなります。
今から10数年前の話ですが、館内の女子トイレの便器から現れて、お掃除の方がビックリ仰天!!
の騒ぎになった事もありました。
どうして、住処とならない場所で発見されるのでしょうか。
それは本種の生活史にあります。
晩秋頃、親ガニたちは産卵のため、一斉に河口域に向かいはじめますが、
様々な水脈を利用して移動するので、下水管などにも入り込んでくるのです。
多くは外敵に見つかりにくい薄暗いなか移動するのですが、タイミングが悪いと見つかってしまうのでしょう。
春から梅雨にかけては、海で育った幼ガニたちが川を遡りながら、
それぞれが生活しやすい場所に散らばって行きますので、
甲らの幅が1~2㎝の幼ガニならば、その頃に科学館の近くでも捕まえる事が出来ます。
只今「エビカニ展」にて、展示中です。