飼育日誌

2020.07.17

魚の模様の役割

海水魚には、様々な模様をもつものがいます。縞模様や水玉模様などがありますが、
なぜその模様をしているのか疑問に思うことがあります。

そこで今回、海の生き物水槽では魚の模様の役割をテーマに3種の魚を展示することにしました。
まずは、派手な模様と色が特徴のニシキテグリです。私のイチオシの魚です。
(前向きについている小さな口で餌をつつくように食べている様子はずっと見ていられます!)


見ての通り、目立つ体色をしているため、一見敵に見つかりやすいように思えますが、
カラフルなサンゴ礁の背景に紛れ込んで、身を守ること(保護色の役割)ができます。
体も小さいため、水槽の中で見つけるのに苦戦する時があります。

続いて、しましま模様が特徴のオイランヨウジです。


名前に「ヨウジ」とあるように、細長い体をした魚です。
赤と白の縞模様が特徴的ですが、この模様で目や尾の位置をわかりにくくしたり、
1匹ではなく複数の魚が泳いでいるように見せることで、敵から身を護ること(分断色の役割)ができます。
また、オイランヨウジのように縞模様だけでなく、尾に目玉のような形をした斑紋がある魚は、
目の位置を勘違いさせて、敵を惑わせることができます。

写真をよーく見てみると・・・
目の上を赤い縞模様が通っているのがわかります。ぱっと見ただけではどこが目なのかわかりませんね。

最後は、水玉模様が特徴のチョウチョウコショウダイの幼魚です。

チョウチョウコショウダイの幼魚は、頭を下にしてひらひらと泳ぎます。
その泳ぎと白い水玉模様で、有毒なウミウシやヒラムシのふりをしている(保護色の役割)と言われています。
成魚になると白い水玉模様はなくなり、泳ぎ方も変わります。

ここまで、展示している3種をご紹介させていただきましたが、
それぞれの模様の役割を知っていただけましたでしょうか。

当館にお越しの際は、ぜひ近くで魚の模様を眺めてみてください。

西田


2024年11月
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