飼育日誌
2016.04.02
失ったもの
“失ったものはかえってこない・・”
なんて言われることがありますが、生き物たちの中には“再生”という方法で、
なくしたものをとりもどしているものがいます。
わたしたち人間も小さなケガであればほぼ元通りにもどりますが、
腕や足をまるごと再生することはできません。
カニの仲間は、敵に襲われたり、仲間同士でけんかしたりしてハサミや脚を失ってしまうことがあります。
しかし、カニは“脱皮”することで、失ったハサミや脚をとりもどすことができるのです。
水族館でも時々、けんかでハサミや脚を失ったカニを見つけることがあります。
そのようなカニをよく見てみると、切れてしまったところがふくらんでいることがあります。
そのふくらみを、さらによ~く見てみると・・
なんと!ふくらみの中にちっちゃなハサミが収納されているではありませんか!!
すごい・・
この小さな小さなハサミや脚は脱皮すると、他の脚より少し小さいですが、
ふくらみの中におさまっていたときからは想像できないくらい、立派なハサミや脚になります。
いったいどうやっておさまって収納されていたのか不思議になります。
カニの他にも、“再生”力が強い生き物にはエビやヒトデ、イモリなどがいます。
小さな生き物たちに秘められた力はすごいですね。