飼育日誌

お知らせ 2025.01.12

実習生体験談⑬~八尋さんの場合~

皆さまこんにちは。
飼育員の伊藤です。
今回の実習生は、年末年始にも関わらず、一生懸命活動してくれました。
その中で気になった生き物ということで、ミナミテナガエビについて語ってくれました。
それでは八尋さん、どうぞ。



はじめまして。実習生の八尋です。先日から、大学の学芸員実習のため、相模川ふれあい科学館で活動させていただいています。
今回は、エントランスのアユ水槽にいるミナミテナガエビについてご紹介します。


エントランスのアユ水槽

ミナミテナガエビは、国外では韓国や台湾、中国などにも分布しており、日本では南西諸島や、太平洋側では千葉県より南側、日本海側では島根県よりも南側にある河川の河口域から上流域にかけて生息しています。
体長は10cm程度の比較的大型のエビで、他のテナガエビと比べると、頭胸甲(顔の近くの甲羅、写真②の丸部分)側面にアルファベットのmに似た3本の斜線がくっきりと入るのが特徴です。


ミナミテナガエビの側面が写った写真

さて、ミナミテナガエビは十脚目という、脚を5対10本持つグループの仲間なのですが、皆さんはテナガエビの脚のなかで、何対目がハサミになっているか、ご存知でしょうか?
私たちがイメージしやすいカニでは、一番頭に近い1対目の脚がハサミになっているのですが、テナガエビの仲間は頭側から数えて1対目の脚だけでなく2対目の脚もハサミになっています。
むしろ1対目の脚よりも2対目の脚の方が大きく、オスでは特に2対目の脚が長くなっており、繁殖期にメスを“長い手”で囲い込むことで他のオスから守ったり、メスを狙うライバルを排除するために使ったりします。


ミナミテナガエビ(ピント甘くてすみません…)

また、2023年の10月に本館が開催した「親子でガサガサ川の生き物さがし」というイベントでは、ミナミテナガエビが引地川親水公園近くの河川敷で採集できたそうです。想像よりも身近な生き物であるミナミテナガエビ、河川敷で長い手を持つエビたちを探してみるのも楽しいかもしれません。

ミナミテナガエビの他にも、相模川ふれあい科学館ではタッチング水槽で触れ合えるヤマトヌマエビなど、魅力的な生き物たちがたくさんいますので皆さんもぜひ相模川ふれあい科学館に遊びに来てください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



八尋さん、ありがとうございました。
ミナミテナガエビは近年、相模川で急速に数がふえていて、私のようなエビカニ好きの間でも大注目な種となっているのです。
ここに新たなエビ好きが誕生!ということで、今後も注目し続けてくれたら嬉しいなと思いました。

伊藤


2025年2月
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