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2025.01.01
【調査・研究】チシマドブガイ幼生の塩分耐性に関する研究成果が論文掲載
相模川ふれあい科学館では、北里大学をはじめとする生き物の研究者と協力して、イシガイ目の淡水二枚貝(イシガイ類)の生態解明をすすめています。
淡水域だけにすみ、移動力が低いと考えられてきたイシガイ類ですが、寄生能力のある幼生時代に、宿主の魚に寄生して遠くへ運ばれていることが分かってきました。私たちは、淡水域内だけでなく、幼生が魚に寄生したまま汽水域や海域をも通り抜けることで、近隣の別水系へと分布を広げる可能性もあるのではないかと考え、それに関連するデータを集め続けています。これまでに、数種類のイシガイ類の幼生について、魚に寄生している間であれば、塩水に曝されても生存し続けられることを明らかにしてきました。
このたび、チシマドブガイという種類の幼生についても、寄生期間中に高塩分の塩水に耐えて生存でき、稚貝への変態に成功することを確かめました。その成果をまとめたものが、このたびアクオス研究所が刊行するオンライン学術雑誌「水生生物」に掲載されましたのでお知らせします。
掲載誌 水生動物 Vol. 2025 2025年1月発行
題名 北海道産チシマドブガイの寄生期間における高塩分耐性
著者 伊藤寿茂(相模川ふれあい科学館)、柿野 亘(北里大学獣医学部)、成田 勝(東北緑化環境保全株式会社)、竹内 基(岩手県立久慈高等学校)
※詳しくは調査・研究をご参照ください