調査・研究

2024.12.28

相模川河口域におけるタカノケフサイソガニの生息記録が論文掲載

 相模川ふれあい科学館では、相模川に生息するカニ類について調べています。河口域で最も多く見られるカニの中に、ケフサイソガニ類がいます。このなかには、よく似た2種類のカニが混ざっていることが多く、これまでの調査ではそれらを区別して記録した例があまりない状態でした。このたび、複数採取されたケフサイソガニ類の中から、よく似た別種であるタカノケフサイソガニを識別し、神奈川県立生命の星・地球博物館に標本収蔵を頂けることになりました。相模川におけるタカノケフサイソガニの明確な標本記録として、公益財団法人平岡環境科学研究所が刊行する「自然環境科学研究」誌に投稿したところ、資料としての価値が認められ、このたび公開されましたのでお知らせします。

掲載誌 自然環境科学研究 Vol.37 2024年12月発行
題名 相模川におけるタカノケフサイソガニHemigrapsus takanoi Asakura & Watanabe, 2005の標本に基づく記録
著者 伊藤寿茂(相模川ふれあい科学館)


背中から見たタカノケフサイソガニ


お腹から見たタカノケフサイソガニ

 今回報告したタカノケフサイソガニを加えると、相模川から記録されたカニ類は計33種類となります。タカノケフサイソガニはおそらく、ずっと前から相模川に生息していたはずで、私たちが気付かずにいただけだと思われます。近年の相模川における確認種の増加を考えると、まだまだ私たちが気付いていないカニや、年度や季節によって来遊してくるカニがいるはずです。相模川の名を冠する科学館として、引き続きカニ類をはじめとする相模川の生物相の把握に努めたいと考えています。

伊藤


2025年2月
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