飼育日誌
お盆休みに新登場
皆さまこんにちは。
灼熱の夏休み、そしてお盆期間、楽しんでおられますか?
お盆期間といえば、子どもたちだけでなく、社会人の方々も、ほとんどがお休み、特別な期間です。
皆さま、心の中にご先祖様をお迎えしながら、家族の絆を深めたことでしょう。
当館では、いつもより多くの皆さまをお迎えするこの時期に合わせて、あえて!新しい展示を立ち上げました。
その1、水辺の生き物水槽
ヌマガエルに代わり、ニホンカナヘビが登場です。
一昔前はそこら中に見かけたトカゲの仲間です。私がすんでいる神奈川県南部ではだいぶ少なくなりました。
当館の周りには今もたくさん見られ、展示の個体も近くで採集してきたものになります。
野外ですと警戒心が強く、すぐに草むらにダイブしてしまうため、くつろぐ姿を間近で観察するのが難しいはずです。
この機会にぜひ、水槽でそっとご覧頂けたら幸いです(隠れて見えない時はお許し下さい)。
さて、入れ替わりのヌマガエルがどこに行ったのかというと…
その2、ミニ企画展示
こちらに移動して展示続行です。
ヌマガエルの展示自体は、昨年の登場時から場所をどんどん変えながら継続しています。
(過去の展示)※2022年6月9日と、8月16日の飼育日誌もご覧になってください。
展示の中で一貫してお伝えしてきたのが「神奈川県で分布を広げる移入種」であることです。
私はずっと東日本でくらしてきたので、ヌマガエルを最初に見たのは大学生になってから、沖縄旅行の時でした。
なので、最初に神奈川県内で見た時は「沖縄のカエルが地元で見られるとは!」という感覚でした。
それからずっと「下手の横好き」として、ヌマガエルの動向を気にしてきました。
さて、これまでも種の解説板でお伝えしてきたのですが、昨年の夏に相模川の流域で見つけてしまっていたのでした。
そしてこの7月に、一緒に見つけた竹本飼育員が論文にまとめてくれたものが、ついに公開されたのです。
お盆であり!論文出たて!このタイミングで是非大々的に紹介したいと思い立ちました。
「鉄は熱いうちに打て!」です。
展示では、水槽を左右に分けています。
右側は相模川や引地川を思わせる感じでレイアウトしています。よくある生息風景です。
そして左側。こちらは海辺のレイアウトです。違和感がありますか?
一般的なカエルの展示としてはそうです。ほとんどのカエルは塩水に弱く、海辺が苦手です。
でも、ヌマガエルに関しては現実に見られる光景なのです。
このあたりを語り出すと止まらなくなるので、気になる方は展示を見に来て頂けたら幸いです。
それで興味を抱いてもらえたら、論文の方も読んで頂けたら幸いです。
…明らかにヌマガエルの方に熱が入っているのが見え見えですね。
カナヘビも好きですよ(自切した尻尾の動きは苦手…)。
どちらもしばらく展示しておりますので、お越しの際は是非ご覧下さい。
伊藤