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2023.07.30
【調査・研究】ササノハガイの新宿主に関する実験成果が論文掲載
ササノハガイは、西日本(本州西部から中部)に分布するイシガイ目の淡水二枚貝(イシガイ類)の一種で、笹の葉っぱを思わせる薄くて細長い貝殻が特徴です。この仲間は、グロキディウム幼生と呼ばれる赤ちゃん時代に、魚などの体に寄生して育つ性質があります。貝の種類によって、幼生が寄生し続けて育つことが出来る相手がある程度決まっていて、そのような寄生相手を「宿主」と呼びます。貝が繁殖するためには宿主への寄生が必須となります。
この性質から、貝がいる水域において、その幼生と相性の良い宿主が一緒にすんでいないと、うまく子孫を残せません。それが全国的な貝の減少原因の一つだと考えられています。
相模川ふれあい科学館では、北里大学をはじめとする外部の研究者と協力して、イシガイ類の生態解明をすすめています。このたび、ササノハガイの幼生を様々な「宿主候補」に寄生させてみて、その相性を確かめる飼育実験を行ったところ、これまでに報告のない3種類の宿主を見つけることができました。
このたび、その成果が、公益財団法人宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団が刊行する「伊豆沼・内沼研究報告」誌に掲載されました。
掲載誌 伊豆沼・内沼研究報告 Vol. 17 2023年7月発行
題 名 飼育下で判明したササノハガイ幼生の新宿主3種
著 者 伊藤 寿茂(相模川ふれあい科学館)、松井 華花(北里大学獣医学部)、柿野 亘(北里大学獣医学部)
※詳しくは調査・研究をご参照ください