飼育日誌
寝ても覚めてもゲンゴロウ part 4
ご無沙汰しております。
とっても久しぶりなゲンゴロウのお話です。
今回はゲンゴロウの卵を水槽内で見つけたので、ご報告させていただきます!
では、さっそく卵を見ていただきましょう。
えー?どれ???って感じでしょうか。
ちっちゃい!!
1.5mmくらいでしょうか。
水槽をきれいにしている最中に見つけたのですが、あやうくゴミと一緒にお掃除してしまうところでした。
さて、そうなると気になるのはこの卵の親ですよね。
この水槽には、2種のゲンゴロウが展示されています。ひとつはクロゲンゴロウ、もうひとつはマメゲンゴロウです。
皆さんはどちらの卵だと思いますか?
……
…わかりましたか?
正解はマメゲンゴロウです!!
え?卵で見分けがつくの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
実はクロゲンゴロウとマメゲンゴロウを知っている人からすれば、とっても簡単なことなのです。
この2種…なんと大きさが全く違います!!!
クロゲンゴロウは体長2cmを超える大型ゲンゴロウです。かたやマメゲンゴロウは体長1cmにも満たない小型のゲンゴロウです。そうなると、見つけるのに苦労するような小さな卵を産むのはマメゲンゴロウだろう、と想像がつくわけです。
また、他にも卵の親を推察する手掛かりになるものがあります。それは、卵の“産み方”と“産む時期”です。産み方というのは、卵をどこにどうやって産んでいるのかということ。ざっくりいうと、植物の表面に産むか中に産みこむかで違いがあります。 そして産む時期とは繁殖期のこと。ゲンゴロウの仲間は基本的に春~夏ですが、種によって違いがみられる場合があります。
ただ、今回でいうと産み方や産む時期はあまり参考にならなそうです。というのも、崩れかけた植物に産み付けてあるので、植物内に産んだ後に崩れたか、崩れた後の植物の表面に産んだのかわからないからです。そして時期に関しても、屋内の水槽なので自然界と同じ繁殖期になるとは限りません。
以上のことから、今回は卵の大きさだけで判断した次第です。
とてもお話が長くなってしまいましたが、もうちょっとだけ。
実は繁殖期ぴったりでした!マメゲンゴロウは2~3月ごろが繁殖期なのだそうです!
「いや!さっき屋内だからあてにならないって言ったじゃん!」という声が聞こえてきます。
ええ、はい…あてにはならないんですが、まあ、当たることもあるというわけです。
私としては、マメゲンゴロウってほんとにこんな水の冷たい時期に産むんだ!と感心しておりました。こんな寒い時期に幼虫になって食べ物あるのかなあ?野外に観察に行きたくなりました。きっとここにもマメゲンゴロウの生存戦略が隠れているのかもしれませんね!
山田