飼育日誌
2022.09.30
主役は我々だ?
皆さまこんにちは。
9月6日に「海の生き物水槽」の展示生物を更新致しました。
リニューアル第二弾となる展示生物は、みんなの人気者チンアナゴです。
白い砂から顔をのぞかせ、餌のプランクトンをちょこちょことついばむ様子は、私たちが見ても大変興味深く、つくづく面白い生き物です。
…と、このままチンアナゴの話をし続けようかとも思ったのですが、今回は一緒に泳いでいるもう一つの小魚についてです。
その名をコバンアジと言います。
育つと50㎝ほどになり、写真のようにヒレがくっきりと黒くなります。非常にかっこいい魚です。
今回、こちらの幼魚を新江ノ島水族館からゆずり受けました。その数、約60個体。
旧知の仲である若手スタッフのIさんが、水族館の目の前の海で採集してくれたのです。感謝感激です。
本来は南の海にすむ魚であり、相模湾ではレアなはずなのですが…最近は湾内でふえてきたのか、はたまたIさんの採集技術がハイレベルなのか、とても気になるところです。
…さて、当初のもくろみとしては、高さのある「海の生き物水槽」で底モノであるチンアナゴを展示するにあたり、彼らが活動しない上の方を「ちょっとだけ」にぎやかにしたいと思ったのです。わき役的なポジションでと思っていたのですが、良い意味で期待を裏切ってくれました。
60個体のコバンアジがひらひらと泳ぎ回る様子は、まるで桜吹雪のよう!想像した以上に目を引きます。主役のチンアナゴ以上に目立っている?いや「我々こそが主役だ!」と言っているかのようです。それでいて、チンアナゴもびびっているわけではなく、餌を与えるとこぞってついばんでいます。実に面白い展示になりました。
本展示は11月下旬までの予定です。ご来館の際は是非、ご覧下さい。
伊藤